3 : Kei-Doc2.0について

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それでは、新しくなった路面性状点検車のKei-Doc2.0の特徴についてお話頂けますでしょうか?

Kei-Doc2.0の路面撮影画像にはラインカメラを使用しています。
自然光だけでは撮影画像が暗くなってしまうため、照明が必要になるのですが、可視光で照らしてしまうと視界の妨げになり、高速道路を利用しているお客様の迷惑となってしまいます。
そのためKei-Doc2.0では近赤外線を用いた照明を使用しています。
近赤外線は人の目には見えない光なので、一般車と一緒に走行していてもお客様の迷惑にならず、撮影画像も明るく撮影できるというわけです。
あと、太陽光など他の光の影響を受けにくいので、昼間に撮影しても毎回同じような画像を取得できます。

西日本の中では、関西は重交通地帯であり、点検や補修工事は夜間に行うことが多いので、昼間撮影できることはとてもメリットが大きいです。
しかし、近赤外線照明を使うと十分な明るさを得るのがとても難しいので、配光、光軸の調整は職人技かもしれません。

照明の配光調整は大変でした。
振動ですぐ照明が傾いてしまったり、照射範囲が足りなかったり、照明とカメラの軸がずれたり…、一生終わらないかと思ったくらいです。(笑)

今となっては解決していますが、その他にも実際に走行して撮影をしたら明るさのムラがあったり、振動のせいで明暗が繰り返すような画像になったりと苦労話は絶えませんね。
きっちり固定することで解決しましたね。

めちゃくちゃガチガチにしっかり固定するようにしましたよ!
撮影した画像を見るとカメラや照明の振動がよく分かるので、画像を確認しては振動の原因となる箇所を補強して…を繰り返してやっときれいな画像が取得できるようになりました。

ランプ(高速道路の出入り口)付近ってカーブ区間が多いので規制するのが難しく、点検しにくい場所なのですが、路面を点検しようとすると本線よりも広い範囲の画像を撮影しなくていけないので、従来車の光学設計で色々と試みたのですが使える撮影用レンズが暗くてどうしようもできないことがありました。
その時、MHさんに助けてもらいました。

狙った解像度にするにはどうしたらいいのかシミュレータを使って計算したり、カメラの位置、角度などを調整したりして、なんとか使用できるレンズで広い範囲を撮影できるようになりました。

パルス分配器は、変更が多く配線が複雑になってしまいました…。
色々なチェック機能も取り入れたので、不具合等のチェックも効率良くなりました。
Kei-Doc2.0は路面の画像とわだち掘れの形状や乗り心地に影響する平坦性の計測を行うのですが、これらのシステムのデータをすべて同期するにはデータの取得タイミングがとても重要になります。
様々な機器に合わせて、トリガーになる信号を分配する仕組みも内製しています。

中の配線とかすごい複雑ですよね…。
次は僕も一緒にやりたいです!

一緒にやりましょう!
新しい技術を取り入れて製作工程などの改善をしていこうと思っています。
現在は、プログラムで電子回路を生成する技術を使おうと考えています。

僕は従来のやり方で今までやってきましたので、新技術に期待していますね!

これからは、僕もプログラムしていかないと!

ハードうらやましい!
ハードウェア側からソフトウェア側に侵食できるよね(笑)
ソフトウェアからハードウェアの領域に行くことは無理ですよね。

最近は、c♯やってます!

ほら!素晴らしい!
ハイブリッドな存在、両刀使い強い!

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では、ここからはKei-Doc2.0での撮影についてお聞かせください。

Kei-Docの測定性能が基準以上の性能であることを確認するために公的機関の性能評価試験を毎年受けています。

性能評価試験では、分析を行う際に補正値を間違えていて時間がかかって大変でした。
間違いに気づくまでに時間がかかりましたね…。
何年か前に同じ場所を走ったデータと比較して、以前よりわだち量が小さくなっていたので「おかしいなあ」となりました。

結果的に試験に合格できたのでよかったですね!
試験待ちの車両がたくさん並んでいて計測車両フェスって感じで見ているだけで面白かったですね(笑)

昼と夜に測定して、終わったのが9時過ぎでしたね。

いつも、雨が降って延期になりますよね…。
2日間の予定が3日間になることもありましたね。

大変ですね…。
同じ場所で行った納品前の精度確認は極寒で地獄でした…。
すごく開けた場所なので冷たい風をもろに受けながら、冷たい地面に這いつくばってチョークで線を引いて…。
凍えそうでしたよ。

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その他に大変だったことはありますか?

なんぼでもありますよ!
Kei-Docの難しいところが1号機との互換性と2号機の新しい機能を両立させて作るところですね。

2号機を作製する時に1号機の開発メンバーが居なくて、分からないことが多く大変でしたね。

でも、苦労した分、Kei-Doc2.0を納品した際は非常に印象が良かったですね(笑)
とにかくパワーアップしていて感謝されました。

来年度の開発時には新しいメンバーがいるかもしれないですね!
楽しみですね!