環境測定
自然と調和した生活を守るのも、私たちの仕事です
高速道路沿道の騒音や振動などの環境レベルの調査を行い、環境基準値など法的基準値に対する満足度を評価します。
また、高速道路の建設工事や更新工事などを実施する箇所においては長期的にモニタリング計測し、沿道環境の保全を目的とした助言や指導を行っています。
当社では正確な測定を行うために計量証明事業所として登録しています。
道路沿道の環境測定
経済活動も円熟期を迎えた昨今、地域の住環境の向上が大きなテーマのひとつとなっています。
特に、都市内道路の沿道では騒音や振動などの問題が顕在化しており、このような問題を解決するためには「現況把握」と「原因究明」が必要です。当社は、計量証明事業所として正確な「計量」を行うとともに、問題の原因を究明するための橋梁振動測定など各種調査を行っています。
環境調査
環境調査では道路沿道の騒音・振動・低周波音レベルを測定して、法的な基準値等に対する達成状況を評価します。近年では国際化の流れを背景にISO基準による評価を行うことがあります。
橋梁振動調査
橋梁の振動を原因とする振動障害が生じて、何らかの対策が必要となる場合は、発生源である橋梁の振動挙動を調べることが重要となります。このため、橋梁上下部構造の振動や変位を環境測定と同時に行います。
路面平坦性調査
環境測定を行う際には路面凹凸の計測を行うことがあります。以前は、車線規制をして、人力で計測していましたが、近年ではレーザー変位計を用いた車載型の計測器車線規制をすることなしに測定を行っています。
※西日本高速道路エンジニアリング関西との共同開発
道路沿道の環境対策検討
騒音・振動等による障害が発生した場合、その状況に応じて対策工法を検討します。対策工の検討に際しては、現地で発生している障害の状況を正確に把握することと、対策を行った場合の効果を予測することが重要になります。当社では保有する豊富な調査機器を駆使した正確な原因究明調査と対策工法の予測検討を行っています。
道路橋の振動対策
道路橋の振動予測は、幾つか方法が提案されていますが、詳細な検討が必要なケースでは当社では立体FEMモデルを用いた移動荷重列による動的応答解析を行います。これにより、橋梁の補強による振動低減効果をパラメトリックに検討することが可能となりました。
道路橋の騒音
騒音の予測は日本音響学会のASJ2020-RTNによる方法が一般的です。これにより遮音壁や裏面吸音板の影響が評価できます。下図は、高速道路を対象とした遮音壁設置による騒音低減効果の予測結果です。
振動対策に対する対策効果の評価
騒音や振動障害の対策を実施した場合、その効果の評価を行うことが重要です。このような事例を積み重ねることが、沿道環境を良好状態に維持するための技術レベルの向上に寄与するものと考えています。
延長床版工法による振動対策
3径間連続鈑桁橋周辺で発生した振動障害に対する調査の結果、建具のがたつきがその主な現象で、大型車が進入側ジョイント通過時に衝撃振動が発生し、その影響が主桁の高次の振動モードを誘発し、周辺家屋の建具を振動させる原因となることが確認されました。これに対して、ジョイントを土工部に移設することで、建具のがたつきの低減を実現しました。この事例は国内で初めて長さ10mの延長床版が採用された事例です。
桁端ダンパーによる振動対策
単純桁が連続する高架橋区間で発生した振動苦情に対して振動対策を行った事例です。動的応答解析の結果、最も振動低減が見込まれる工法として桁端ダンパーを採用しました。この対策により振動低減効果を得ることができました。