非破壊検査

構造物各部位の品質、劣化診断を行う場合、物を壊すことなく内部の状況を観察しなければなりません。
弊社では電磁波、弾性波の波動理論や電磁誘導、電気化学反応等、物理化学現象を利用したあらゆる非破壊手法に精通しております。
例えば、電磁波(レーダー法、赤外線法、X線法)を用いた構造物内部の可視画像化、弾性波(超音波法,衝撃弾性波法)の波動伝播分析によって、形状や品質確認、劣化損傷の規模、位置、原因を把握し、補修補強要否の判定資料に供しています。
また、電磁誘導を用いた鋼材探査、電気化学反応(自然電位法を利用した鋼材の腐食推定)などのニーズにもお応えしております。 

CTM調査

CTM調査とは、Concrete Thickness Measurementの略であり、衝撃弾性波によりコンクリート厚さを測定する方法です。この手法を用いることで、既設コンクリート構造物の厚さ、例えば、トンネルの巻厚や床版の厚さを片側から非破壊的に測定することが可能となります。
現在では、このような原理を応用して、増厚床版の一体性確認調査、コンクリート内部の品質調査や鋼板接着補強における剥離調査などを行っています。

CTM測定状況図

増厚床版の一体性確認調査
この例は、上面増厚補強を行ったRC床版の一体性確認を目的に行ったものです。この事例では、部材厚さ280mmの床版(舗装50mm、上面増厚床版50mm,既設床版180mm)に対して、舗装面から調査を行いました。上面増厚コンクリートと既設床版コンクリートの付着状況は、境界面付近に発生するスペクトルのエネルギー量により推測することができます。測定結果のうち、付着が「良好なもの(境界面付近に卓越がないもの)」と「不良なもの(卓越があるもの)」の判定例を示します。

※測定器はStrcureTapを使用しています。

一体性確認調査の判定事例

打音振動法

打音振動法とは、AEセンサーを用いて横桁・床版横締めのPC鋼材のグラウト充填状況を非破壊的に確認(推定)する方法です。この手法を用いることで、これまでX線撮影法や削孔調査を用いなければ確認できなかったシース内部のグラウト充填状況を把握することが可能です。また、PC鋼線・より線・PC鋼棒といった鋼線の種類に制約を受けず、さらに横桁・床版の各横締めケーブルおよび特殊橋梁(ディビダーク橋)に適用でき、横締めケーブルにおけるグラウト充填状況の判定手法として実績を挙げている非破壊調査手法です。

測定容要領図

実橋に対する測定結果
この例は、横桁、床版横締めのグラウト充填度の判定基準に用いているものです。受信側波形を周波数分析することで、グラウト状況別に卓越周波数成分が異なります。なお、グラウト状況はX線撮影の結果を用いて検証しています。

受信側波形の周波数分析結果

コンクリート構造物の超音波測定

超音波透過法は、調査対象部(梁、柱、桁等)に超音波パルスを伝播させ、その伝播時間より伝播速度を算出し、その速度分布図からコンクリート内部の欠陥を探査するものであります。また、超音波表面波法は、伝播経路途中に欠陥等があると、その端部で回折して進行します。したがって、ひび割れを挟んで等距離に発・受振子を設置して超音波を入力すると、受振子にはひび割れ先端で回折して最短距離で超音波は到達することになり、ひび割れ深さを算定することができます。

測定要領図

実橋脚での測定結果
この例は、超音波透過法を用いて橋脚断面の超音波伝播速度を測定し、分布図を作成したものです。超音波伝播速度からコンクリートの品質を推定することが可能であるため、これにより、損傷位置の判定を行うことに用いています。

超音波伝達速度の分布図

レーダー探査法

電磁波法は、Radio Detection And Ranging の頭文字をとり、レーダー(RADAR)法ともいわれ、マイクロ波帯の電波が媒質中を一定速度で直進する性質を利用して、鉄筋などの位置を検知する方法です。

ストラクチャスキャン
作業風景
鉄筋探査
空洞探査

ひずみ測定

電磁波法は、Radio Detection And Ranging の頭文字をとり、レーダー(RADAR)法ともいわれ、マイクロ波帯の電波が媒質中を一定速度で直進する性質を利用して、鉄筋などの位置を検知する方法です。

データロガー
AD変換器

その他の非破壊手法

前述したもの以外で、当社が取り扱っている非破壊手法としては、以下のものがあります。

PC鋼線のX線撮影結果(グラウト充填)

ガセット部の目視による亀裂確認

溶接部のカラーチェックおよび磁粉探傷による亀裂確認