地盤・基礎


地盤・基礎

当社では、波動理論を応用した杭の健全性試験SIT(Sonic Integrity Test)を用いて、非破壊で基礎の品質、形状あるいは損傷等の健全性診断を行っています。
SITは、衝撃弾性波の一種で、“均質な物質中を伝播する波はある一定の法則に従って進行する。”という「波動理論」に基づいて開発された手法で、“Seismic Method”あるいは“Shock Wave Method”とも呼ばれています。
SIT調査は、杭頭に与えた衝撃により発生したひずみ応力波および、それに伴う粒子速度波が、杭体内を伝播する間に、周辺の地盤拘束の違いあるいは杭自身の断面変化の影響を受けて、減衰する反射波を加速度計により測定するものであります。
このため、本手法は、施工時における杭の出来形形状確認のほか、既設杭の杭長確認および地震などにより発生した損傷の確認について、多くの実績を有しています。 

残地杭の根入長確認

健全な場所打ち杭
本事例は、建設段階で側方移動の影響により杭が傾斜したために調査したものである。試験は約2.5m突出した杭頭(杭頭処理は行われていない状態)から実施している。測定波形は損傷を示す波形変化はまったく見られず、杭先端からの反射波(▲印)が明瞭に確認できる。したがって、杭には損傷は無く、全体的に傾斜しているものと判断される。また、先端部手前には支持層に根入れされたことによる地盤の影響が現れている(▽印)。

測定方法

※測定器はStrcureTapを使用しています。

測定結果

杭の損傷調査

損傷のある既製杭での測定結果
本事例は基礎杭打設後、掘削段階で地盤の側方移動により打設されたPC杭が傾いたため杭頭から調査を実施しました。対象となる10.0mの杭は2本を継いでいましたが、継ぎ手部の上方9.0m(△印)で損傷が確認されました。波形では、9.0mでの損傷による繰返し波が18mと27mに現れているため、9.0mの位置で破断されているものと判定しました。この波形は杭頭と9.0mの位置で重複反射している様子を示しています。

※測定器はStrcureTapを使用しています。